銀塩のこと

 卒業してから、撮らなくなってしまったのは、時間がなくなった事もあるが、暗室環境がなくなってしまった事が大きい。

 一時コンパクトカメラを買った事もあるが、フイルムを2~3本撮って、クルマのグローブボックスに入れておいたら、車上荒らしに遭ってしまった。その後も、海外旅行に行った時、成田に行く途中で、コンパクトカメラを買ったが、これも旅行から帰ってきてからは、触らなかった。

 E950入手以降、何故か85mm F1.4を中野のフジヤで見て、どうしても欲しくなってしまいレンズだけ買って、しばらく眺めていた。レンズだけでは仕方がないので、ニコンのFAか何かを中古で買い、一度だけ葛西海浜公園まで出かけて撮ってみたが、モルトが切れていて、光が入ってしまっていた。修理するのが面倒でそのままになっている。

 結局、卒業後入手した銀塩カメラでは、一台につき平均100枚以下しか撮っていない。

 フイルム一本で36枚しか撮れないし、すぐに見れない。一本撮り終わらないと、DPEに出せない。DPEに出すのも取りにいくのも面倒。コストも結構かかるし、その割に、出力は納得できない。ポジは、フィルターワークが伴うし、そもそもコンパクトカメラではフィルターが使えない。やはり、フイルムはいろんな意味で面倒。フイルムにはフイルムのメリットはあるのだが、カラーネガでDPEに出してデジタルプリントのL版で出力を得るという運用では、そのメリットも生きてこない。

 機械としてのカメラには物欲を刺激するものがあるが、それはノスタルジーでしかない。気軽に持ち出して、バシャバシャ撮れなければ、意味がない。

 デジカメは、E950以来ニコンしか使っていない。ニコンへのこだわりは、銀塩時代のカメラへのオマージュが少なからずある。