趣味について

 趣味は「散歩と昼寝」という事にしていた。

 休みの日は何してるのかと聞かれたらそう応えるのが無難だ。実際、週末に自転車で走りまわっていたのも散歩に含めると、それなりに本気の趣味だった。週末ごとに都内を走りまわって最終的には八王子も含めて都内全域を走った。さすがに奥多摩方面までは行けなかったが、都内の地理には詳しくなった。

 自転車は故障中でそのうち修理しようと思っている。自転車ブームも下火になってしまったようだが、その方が気負いなく乗れるのでいい。あの独特のジャージは苦手だし、ブランドモノの自転車の隣に駐輪するのは肩身が狭かった。まだ乗れるうちに再開したいと思っている。ただ100km/日を目指す事はもうないだろう。

 歩く方の散歩も通勤帰りに6km前後は歩いていた。コンデジを買ってからは、撮影が趣味のようになってはいるが、自分の中では散歩が主で撮影は従という位置づけになっている。

 オーディオが趣味だった事もあるが、リスニングルームにこだわる事はもうないだろう。大きなスピーカーも1セットあるのだが、ウーファのエッジがウレタンで加水分解してボロボロになっている。これもいつか修理しようと思いながら、そのままになっている。時間があれば、ダメ元で修理してダメなら捨てよう。むしろ楽曲の収集の方が楽しめる。公共図書館から借りてくるだけでもかなりのコレクションになる。ハイフィデリティーや音質を云々したところで、聴覚の劣化をオーディオ装置で補う事はできない。カーオーディオとヘッドフォンくらいでいい。

 オーディオよりも長続きしているのがコンピュータ。もっとも会社人生の最後の10年以上は、社内のサーバーの開発と維持管理が仕事になっていたから、趣味とはいえないかもしれない。

 今、趣味として時間と費用をかけるとしたらコンピュータ関係。

 デジカメの撮影データにしてもデジタルオーディオの楽曲管理にしてもコンピュータが必要だ。コンピュータに関する知識とスキルは同年輩に較べればマシなはずだが、知識は年々古くなり、記憶の中から失われていく。今でさえ浦島太郎の感覚がある。あと5年経ったら復帰は絶望的だ。盆栽をいじるようにシステムをいじりたい。